小さな幸せ

ぐっと身体を抱き寄せられ、

床までの距離は縮まる事は無くて。


ホッと息をついた。


「ありがと。」


と見上げたら、

ぽたぽたと水しずくが上から降ってきたことに気がついた。


「惣さんの髪濡れてる?」


「あ、ごっめん、シャワ-浴びてたところだったから。」


水も滴る…超かっこいいかも。


ドキドキしながら

「ごめんなさい、帰るって言った癖に。」


「や、嬉しいし、会いたかった。」


引き寄せられたまま、

惣さんの胸に抱かれていた。


「あの」


「ん?」


「っ防犯カメラとかに映っちゃってますよねこれ。」


「ああ~やべ、後で管理人に嫌味言われるなあ。

 部屋に行こう。

 おいで、和実。」