「おかしな…
私、どうして…」
そう言いながらも、涙は流さなかった。
その後、響は全部話してくれて、私達は近場じゃない高校を選びやり直した。
響と私のためにも…。
でも、私達は離れた方が良かったのかもしれない。
「今でもわかんない…。
だからね、本当は一緒の大学に行く約束してたけど、響には内緒で私ね、別の大学に行くことにしたの、あの子と少しだけ距離を置きたい、そう思ったから。
それで友情が壊れるくらいなら、それまでだったってこと…。
大丈夫、私は響のこと
〝信じてる〟
そう決めたから」
「そうか、じゃあ大丈夫だな!
お前の絆はそんな事で壊れないよ」
斉藤は、笑顔でそう言った。
「絶対、響を守ってあげて。
じゃないと私許さないから!!」
「おぉ!!
この話し聞いて、覚悟決めた。
絶対に約束するよ、じゃあな!!」
斉藤が清々しく走って行った。
斉藤……
あんたは、悠みたいに死んじゃ駄目だよ…。
絶対に響を守ってあげてね。
悠…
響はね、新たな一歩を踏み出そうとしてるよ。
見守っててあげて。


