「行ったか…??」


斉藤君へは、おそるおそるドアの隙間を覗き宮田先生がいないか、確認していた。


「よし!!もういないや…
ありがとな、中村」


斉藤君の、笑顔に私はドッキってしてしまった。


「……中村??」


「私は、何もしてないよ。
それより、何で追われてたの??」


私は、慌てて話題を変えた。


「あぁ、ちょっとな……
それより中村ってさ、好きな人いるの?」


あまりにも唐突過ぎて、私は言葉を失ってしまった。


しばらくの間私達は、沈黙が続いた。


「ごめん、突然変な事聞いて」


斉藤君が、顔を赤くしながら目を反らした。


「ううん、私も言えば良かったね。
いないよ、そんな人…」


私は、笑顔で誤魔化した。


「本当に!?そっかぁ……

俺、中村の事が…」


「えっ…??」


斉藤君の顔が真剣で、これから何を言うのかが何となくわかる。


これって!?