教室に戻ると、幼馴染みの愛羅が待っていた。


「また、振っちゃたの??」


「……うん……。でも、これで良かったんだよ…いつもごめんね…愛羅」


「……響……」


私は、愛羅の顔が見れなくなり、目線を窓の外に向けた。


部活をやっている人、帰宅している人がちらほら目立つ。


「響!!私…!!」


愛羅の声に私は、慌て後ろを振り向く。


「なっ、何??」


「あっ…ううん、何でもない。
ちょっと、トイレ行って来るね」


「わかった、待ってるね…」


愛羅が教室を出て行くと、私はまた、一人になってしまった。


「暇になっちゃた…」


今頃、愛羅は泣いていると思う。

しばらくは、帰ってこないかなぁ…。

あの子、あの先輩の事好きだったから…今行ったら逆効果だと思う。


私はしばらく、愛羅の事をそっとしておく事にした。