「っ!!・・・・甘い・・・これって・・・」

「しょこれーとよ♪南蛮渡来のものなのよ♪」

「チョコレートなの?」

確かにこの甘さはチョコレートだ。

久しぶりのやさしい甘さにおもわず笑顔がこぼれる。

「そうよ!どう?気に入った?」

「うん!!チョコレートっていったらバレンタインデーだよね!」

私はうきうきとしながら喋る。

「ばれんたいんでー?」

「あ、そっか!まだこっちの世界では広まってないのか・・・えっとね、バレンタインっていうのは、2月14日に好きな人やお世話になっている人にこのしょこれーとやなにか贈り物を男性に送る日なんだよ♪」

「そうなの!?その行事すごく楽しそうね!!!」

沙織は目をきらきら輝かせながら頷く。

「じゃあ、明日私とお買いもの行かない?もうばれんたいんは1週間後だもの!!」

「うん!!いこ!!!」

私はこくこくと頷く。

久しぶりの行事に心が弾む。

そんな乙女たちの会話を誰かが聞いているとも知らず2人ははしゃいでいた。