「無理するのはだめですよ・・・」

「ああ。」

「私を頼ってくれなきゃ怒りますからね?」

「ああ。心配かけちまってすまねえな。」

私は首を左右にぶんぶんと振る。

「だけどな、どんなに忙しくてもお前がいるから俺はこの怒濤の時代を生き抜けるんだ。」

「土方さん・・・・?」

急な言葉に土方さんの顔を見つめる。

「今年もお前と蛍を見れてうれしいよ。来年もその先の未来もずっと俺と蛍をみてくれるか?」

「もちろんです!!当り前のこと言わないでください!!」

私はぎゅうっとまた土方さんを抱きしめた。

「お前を守るのは俺だからな。」

急にどうしたんだろうか?

今日の土方さんはなにかがおかしい。

「どうして急にそんなこと言うんですか?」

「時々怖くなっちまうんだ。この怒濤の時代を生きる武士としている俺がこんなに幸せでいいのかってな。」

「いいに決まってます。土方さんは私が幸せにします!!」

「ふっ。それは普通男の言葉だろうが。」

そう言って土方さんは前を見つめる。

「らしくねえな。この俺が怖くなっちまうなんて言葉吐くなんて。」

「きっとそういう気分なんですよ。」

「いや、最近いろいろ忙しくて疲れちまってな。そんなときこの場所でお前に逢えたからきっと心が弱くなっちまってるんだな。」

そう言って少し苦笑いをこぼす。

私は土方さんの瞳を見つめる。