誠の紅桜に止まる蝶~番外編~

「その気持ちを伝えなきゃね。」

「え?」

「蝶に素敵な贈り物を上げる。」

「贈り物?」

イタズラっぽく沙織は微笑んでいる。

「ほら、来たよ。」

そう言うとがさがさと茂みから音がする。

そして現れたのは

「土方さん・・・・・・」

ずっと逢いかった愛おしい人がそこにいた。

「ほら。蛍は願いをかなえてくれるんだよ?」

沙織はそう言って私に桃色の着物をそっとかけてくれる。

そして立ち上がりどこかに行ってしまう。

私はどうしたらいいかわからずそこに座っている。

すると蛍を見つめていた土方さんが不意にこちらを見つめた。

「蝶?」

土方さんが驚いたようにこちらを見る。

「はい。こんばんは土方さん。」

私は少しはにかんで微笑んだ。