そんなことを思っていると土方さんが楽しそうに笑いだす。

「土方さんなに笑っているんですか?」

「ったくお前はすぐに真に受けすぎなんだよ。確かに久しぶりに沙織に会えるのは楽しみだが、すごくは逢いたくねえよ。」

「なっ!別に真に受けてなんかいませんっ!」

真に受けていた自分が恥ずかしくて真っ赤になりながら叫ぶ。

「俺がすごく逢いたいと思うのは蝶。お前だけだ。」

「っ////」

耳元で甘くささやかれて顔が真っ赤になる。

土方さんには本当に敵わないと思う。

するとどこからか鈴のような笑い声が聞こえる。

声のする方を見ると沙織が楽しそうに笑っていた。

そしてそっと口元に人差し指をさし、静かにと合図する。

私はこくこくと頷き黙っている。

そして沙織はそっと足音と気配をけして庭を見つめている原田さんに近づき目隠しする。

「おわっ!?」

いきなりのことで原田さんが素っ頓狂な声を上げる。

「原田さんだーれだ?」

私が原田さんに尋ねる。

「この手は・・・・沙織だな?」

嬉しそうに原田さんが答える。

「正解♪」

沙織がそっと手を離すと原田さんがこちらをふりむく。

「お前はどこから帰ってきてるんだよ。」

「ふふっ。原田さん。ただいま。」

「おかえり。沙織。」

そう言って原田さんはふわりと優しく微笑む。