「おい。原田。うろうろしすぎなんだよ。」

そう言って庭でうろうろしている原田さんを土方さんがたしなめる。

「お、おう!そ、そうだよな・・・・」

そう言って原田さんは縁側に腰掛ける。

「はい。どうぞ原田さん。」

「あ、ああ。ありがとうな。」

私はそっと原田さんにお茶を手渡す。

どうしてつも冷静な原田さんが今日はこんなに忙しないかというと、原田さんの彼女の沙織が久しぶりに屯所に来るからだ。

沙織とは以前一度会ったことがあり私も仲良しだから沙織が来るのが待ち遠しい。

この時代での初めての女の子の友達。

現代のように気さくに話せることはうれしい。

だけど沙織はとても凛とした霊力を持つ巫女だ。

いずれは沙織もわたし達と共に戦いたいと言っていた。

「早く沙織来ないかなあ・・・・」

私は待ち遠しくてぽつんとつぶやく。

「ったく、どいつもこいつも沙織のことばっかりじゃねえか。」

土方さんが苦笑いをこぼす。

「土方さんは沙織に逢いたくないんですか?」

私が尋ねると土方さんは一瞬きょとんしたした顔をしてすぐに意地悪な顔になる。

「ああ。すごく逢いたいな。」

「ふうん・・・」

私はちょっと土方さんの言葉に嫉妬する。

私のまえでもそうやって普通に言うんだから。

ってこんなことで怒るなんて私心狭いなあ・・・・