しばらく探すと縁側に座っている蝶を見つける。

小さくうなだれている蝶の姿はいかにも拗ねていることがわかる後ろ姿だった。

そんな姿さえいとおしい。

俺はそっと近づき背後から抱きしめる。

「きゃっ!!」

いきなりのことに悲鳴を上げる蝶。

「ったく。何悲鳴あげてるんだよ」

「ひ、土方さんっ!!」

俺の姿を確認すると顔を真っ赤に染める蝶。

そんな姿が愛おしい。

「すまなかった。握り飯のことで拗ねてるんだろ?」

「なっ!べ、別に拗ねてません!!」

そう言ってぷいっと横を向いてしまう蝶。

「お前が作ってくれたなんて知らなかったんだ。悪かった。」

すると蝶はふうっと少しため息をつく。

「土方さんずるい。そうやって素直に謝るなんて。」

「なんでだよ。」

笑いながら腕を緩めると蝶がこちらを振り向く。

「土方さん。忙しいのはわかりますよ?だけど食事くらいちゃんとしてください。そうじゃなきゃ倒れてしまいます。」

そう言ってすこしうつむく。

もしかして・・・・

「お前俺が新八に握り飯をやったことじゃなくて飯を食わないことで拗ねてるのか?」

「そうですよ?」

蝶は不思議そうに頷く。

「ったく・・・」

おもわず愛おしい体を抱き寄せる。