誠の紅桜に止まる蝶~番外編~

「よし。今日はここまで。」

担任がそう言うとみんなが一斉に立ち上がり帰る。

「ちーよ!かーえろー♪」

友達3人が私のもとに集まる。

「あ、うん。」

私は急いで立ち上がり歩き出す。

「それでねー彼ったらねー」

「うっそ!!」

「やだあ!面白い彼氏だね!!」

楽しそうに彼氏の話をする友達だちの話に耳を傾ける。

「あれ・・・・」

ふと道場のまえで止まる。

「あれ、蝶?」

立ち止まった私に気づきみんなが振り返る。

「懐かしい・・・・」

私は不意に唇から零れた言葉におどろく。

「え?蝶剣道やってたの?」

「え、うん・・・・」

「なんだお前ら。入部希望者か?」

私たちが話していると中から誰かが出てきた。

「わっ!土方先輩だよ!!」

一人の子が興奮気味に話し出す。

「ひ、じ、かた・・・・?」

その言葉に自然と反応する。

まるで私の中に当り前にあるようなそんな感覚。

懐かしい、いとしい、切ない。

そんな感情が一気に湧き上がる。