気が付くともう夕方だ。

結局稽古もなにもできぬまま一日が終ってしまった。

だけどこんな一日もいいものだと蝶の寝顔を眺めながら思う。

そして自分もうとうと眠りにつく。

走ったせいかうとうとしてしまう。


「うわあ。あの二人本当に親子見たい。」

安らかに眠っている二人を見つけて総司が楽しそうに微笑む。

「そうだな。だけどこんな姿見たら土方さん激怒もんだな。」

「じゃあ原田さんあの二人起こしてきてくださいよ。」

「んなことできねえよ。今だけは寝かせてやろうぜ?」

そう言って二人はそっとその場から立ち去る。

そして完全に薄れゆく意識の中でこれからも蝶の父親役を自分がやろうと心にきめるのだった。