そして土方と稽古をつけた後汗を流すために井戸へ向かう。

するとぱたぱたぱたと誰かが廊下を走っている。

「っきゃあっ!!!」

すこし悲鳴に近いものが聞こえたかと思うと一の目の前にふわりと数枚の手ぬぐいが舞い落ちてくる。

手ぬぐいから日のにおいが立ち込める。

「いったあい・・・・」

涙声の蝶の声が聞こえる。

「大丈夫か?」

「はじめざん・・・・・」

派手に転んだらしく鼻を押さえながら涙目の蝶はなんだか愛らしい。

「また随分と派手に転んだものだな。」

そう言うと蝶はかあっと顔が真っ赤になる。