「そう、ですか・・・・」

私は土方さんの態度の意味がわからなくて言葉に詰まってしまう。

「ああ。用事はそれだけか?」

まるで早くいなくなれと言わんばかりの態度だ。

さすがにそんな態度にむっとしてしまう。

「そうですよ!!大した用事じゃないのにお仕事の邪魔してごめんなさいねっ!私今日は別の部屋で休みますからごゆっくりお仕事してください!!」

そう言って私はすくりと立ちあがる。

「おい、蝶!!」

土方さんの声が聞こえたけど私は知らないふりをして部屋から出ていく。

そしてとぼとぼと屯所を歩くと誰かにぶつかりかける。

「きゃっ!」

私はなんとかひらりと身を避ける。

「おっと!ごめんね蝶ちゃん。驚かせちゃった?」

「あ、沖田さん・・・・」

「あれ、それ金木犀?すごいいい匂いだね。」

「はい・・・・」

「どうしたの?随分元気ないみたいだけど?」

「あ、いえ、そんなことないです!!」

「ふうん。ちょっと俺の部屋に来ない?美味しいものがあるんだ♪」

「えっ!ちょっ!沖田さんっ?」

私は沖田さんに腕を掴まれてそのまま連れて行かれる。