「うわあ。綺麗!!」

私は目の前の金木犀の花におもわず声を上げる。

「だろ?お前ずっと金木犀の花見たがってたから一枝折ってきたんだよ。」

そういって原田さんは私にそっと手渡す。

「ありがとうございます!!すごいうれしいです!!」

「いいって。たまたま通りかかっただけだからな。それよりお茶を頼めねえか?」

「はい!今入れてきますね!!」

そう言って私はぺこりと頭を下げて走り出す。

ふふっ。金木犀の花土方さん好きなんだよなあ・・・・

私は早く土方さんにこの枝を見せたい気持ちをこらえてまずは原田さんにお茶を淹れて届ける。

「土方さんは自室かな・・・?」

私は急いで部屋に向かう。

「ひっじかたさーん♪」

上機嫌で扉を開けると不機嫌な土方さんがいた。

あら・・・・?

今朝はすごい機嫌がよかった気が・・・・

「ひ、土方さん?」

私はおずおずと声をかける。

「なんだ?」

するといつも以上にそっけなく土方さんは返事を返してくる。

す、すごい機嫌の悪さ・・・・・