「ふっ。お前を泣かすのはいつも俺だなあ。」

そう言って優しく土方さんは私の涙を拭う。

「だけど、お前を喜ばせるのも、悲しませるのも俺だけの特権だからな。」

そういってぎゅうっと抱きしめてくれる。

「心配するな。俺はどこにもいかねえよ。お前が眠るまでずっと俺が話しててやるから安心して眠れ。」

「土方さん・・・・」

私はそこにいる存在を確かめるようにぎゅっと抱きしめる。

「あのね、土方さん・・・」

「なんだ?」

「・・・・本当に私は土方さんだけを愛してます。だから、どこにもいかないでくださいね?」

今まで口にていなかったことを言ってみる。

そう、今の私は恥かしいって感情よりもほっとしている感情が強いせいか素直な気持ちを口にできた。

すると土方さんは無反応だ。

私は不思議に思い顔をすこし上げる。

すると土方さんの胸にすっぽり覆われてしまい顔がすぐに見えなくなってしまう。

「わわっ!土方さんこれじゃ顔が見えません!!」

「うるせえ。見なくていいんだよ。」

すこし見えた土方さんの顔は耳まで真っ赤に染まっていた。