【花の咲くビル】としてとても有名になった。 「…っ………」 「落ち着け、落ち着けよ。」 ビルの正面から出た青年・龍斗は、丁度敷地内に入って来た高級車を見ていた。 変化に気が付いた秘書は、声をかけた。 車が青年の目の前で止まった。 「おぉ、龍斗!珍しいな、逢うなんて。」 車から降りて来るなり男は、にこやかに声をかけて来た。 このビルの持ち主にして橘グループ社長で青年の父親だ。 「何なんですか?」