「ねぇ、翼~
学校はしょうがないけど…部屋くらい出なよ!桜、来てるわよ~」



「部屋、入れて…」




出たくない。



まさくんがいない世界なんてつまらない…







しばらくして、
ガチャリと部屋が空いた。



「桜。ノエル…き、恭!」


ママ…。

桜とノエルはともかく…


恭が居るなんて聞いてないよ~



「翼、なんなのその顔!」
ガシガシと私の顔を触る桜。


「つ~ちゃん!どうしたの!?まさか雅彦さんと別れたの?」



「学校、出てこねーし。
ひっき~か。チビ…」



う゛…



てゅうか…


みんな私に質問しすぎ…



「翼…何があったのよ。
連絡くれないし…心配したんだよ!?」



「ごめん。桜…
実はね…まさくんにしばらく会うのよそうって言われたの。」


「ぇえ!?」


「やっぱり別れたのか~
つ~ちゃん、俺んとこ…「おめえはしばらく黙れ。」


ノエルに叱られ、恭はシュンとしょぼくれた。



「恭、別れてはないんだ。多分…。ただ…距離をおこうって…う゛ぅッッ…グズッッ」


話すだけで涙が出てくる…


そんな私をそっと桜が抱き締めた。



「なあ、翼。
なんのために雅彦さんと一緒にいんの?」



「え…?」



「男はな、女を守るのは当たり前なんだよ。たとえ、自分を犠牲にしてでもな。雅彦さんの気持ち、考えた方がいいんじゃね?」



まさくんの気持ち…




「そんなの…わからない。」




「まあ、今のお前じゃわかんねえだろうな。
結局、自分のことしか考えてねーんだよ。」



「ちょっと!ノエル!」



「今のチビのまんまなら、このまま別れた方がいいんじゃねー?」




「何で…何でよ!
まさくんが好きなんだもん!離れたくないもん!まさくんがいなきゃダメなの!」



わけわかんない…



ノエルのバカ!!




私はわけわからなくて、
部屋を出た。