まさくん…



まさくん………




私の手にべっとりついた真っ赤な血。




いや




「死なないで!!」



「翼。大丈夫?」


あ…また夢か。


あの日から1週間。

まさくんが撃たれる夢ばかり見る。


「桜…。来てくれたんだ。」


「当たり前でしょ!
だってずっと授業来ないんだもん。」



あの日から1週間たち
やっと学校に通えた。



拉致られた恐怖とかじゃなくて…



まさくんが撃たれて、
私の腕の中で血を流す
あの光景が忘れられなくて…


怖かった。




゛まさくんが生きてる゛

そう聞いたのは、あの日の次の日で、だけど何故か会わせてくれない。



今の状態じゃ会わせてやれないって…



パパもママも、
皐月くんも…


聖夜くんも…



まさくんの状態を教えてくれない。



「翼、家帰ろっか!」



「あれ、もう放課後?」



「そーだよ。
翼、ずっと寝てたんだもーん。あげはちゃんだって心配してたよ!」



「あははッッ
ごめんなさい~」



桜はプゥ~ッッとほっぺたを膨らませた。