屋上のドアの前に立って、深呼吸をする。


落ちつけ、私……。


ドアノブを回して、ゆっくりとドアを開いた。





―― ギィィ……


屋上には、空を見上げている人が1人居た。


「……空我くん?」


私がそう言うと、空を見上げていた人が私の方を見た。


やっぱり、空我くんなんだ……。


空我くんは、驚いたように私を見た。


驚かしちゃったかな……。


「……桜先輩……? あ、この前は、ありがとうございました!」