小春の頭が、軽く、ぽんぽんと叩かれた。

蒼意がニヤニヤと笑いながら、箒を手にしていた。



「はるるん。俺のお嫁さんに、なにしてんのさ?」

「誰が、アンタの嫁だ」



歩美の言葉を流して、小春は言う。



「近衛先輩の居る喫茶店を、歩美が知ってるの。んで、行こうって話」

「へぇ。二代目放送部の?」

「そう。その人。でね、小日向先輩も、たまに、居るんだって!」



小春は声を弾ませた。

二代目って、なんだ?

歩美は自分の疑問に回答を出せないまま、話の流れを見守っていた。

蒼意は口の端を上げた。



「俺も、そこ、行きたいな」