ゆのはまた黙った。 膝の上で手をギュッと握ってる。 すると、握ってる手の上に…しずくがポタリ。 ゆのは下を向いたまま泣いてる様子。 「おい、別に泣くことじゃ…。」 俺はゆのを泣かせたいわけじゃない。 ただ、どこでバイトしてるのか? なんのバイトをしてるのか? なんで俺にかくしてるのか? それだけが知りたいだけなのに…。 「……ごめんなさい。」 「ん?」 「今は話せません。もう少しだけ待って下さい。」 ゆのはそれだけ言うと、涙をポロポロ流し部屋に駆けて行った。