人前で堂々と抱きつけるなんて……。
やっぱり、恋人なんだろうな?
胸の奥がチクッとした。
なんでだろう……。
別に、隼斗さんに恋人がいようが関係ない。
そうよ、私には関係ない。
「お取込みの様ですので、私は先に帰っております。お仕事頑張って下さい。では、失礼致します。」
私は隼斗さんの隣りにいる女性に会釈した。
「おい、ゆの!?」
「先ほどは、失礼致しました。」
私は取次をお願いした…女性の人にもお辞儀をして、玄関に向かった。
「ゆの!おいっ、待てよ!?」
後ろの方で隼斗さんが呼んでいるのを無視して、家路についた。



