家元の花嫁【加筆修正中】



「あの!?お引き取り願えますか!?」


目の前の女の人が大声で言った。


隼斗さんの方に気を取られ、目の前の人をすっかり忘れていた。


「あっ、すみません。」


私は呆然としながらも、頭を下げた。


すると、先ほどの大声が聞こえたのか?隼斗さんがこちらに歩いて来る。


私は目を合わせたくなくて…下を向いた。


「ゆの、どうした?何か用か?」


目の前で隼斗さんが話しかけてくる。


後ろから先ほどの若い女の人が、腕を絡めて来た。


「隼斗さん、どうしたの?知り合い?ねぇ、今日の会食…隼斗さんも来てぇ~。ねぇ、いいでしょう?」


「すみません。離して頂けますか?」


「嫌よ。来てくれるって言ってくれなきゃ、離さないわ。」


何なの!?この女の人。嫌な感じ!


やたら甘ったるい声で…、ベタベタして。