ゆのの部屋は俺の部屋の隣り。
元は俺の衣裳部屋だった。
うちには空き部屋なんて幾らでもある。
けれど、出来ればすぐ傍の部屋にしたかった。
両親に『女の子を連れて帰る』と話したら、
衣裳部屋を軽く改修してくれた。
まぁ、俺としては親の勘違いが返って好都合になったという訳だ。
ゆのの部屋に入ると、
――――――――物が無い。
ってか、全く無い!!
事前に用意したベッドと勉強机とソファと、
テレビや本棚くらいなもんで………彼女の物が何一つ見当たらない。
一体、どこにあるんだ?
俺は徐にクローゼットを開けてみた。
高校の制服と何着かの服がかかっている。
それと、鞄が2つ。
1つは学校に使用している鞄。
もう1つは荷物を入れて来た鞄。
それ以外、何も無かった。
俺は心の中で『ごめん』と唱え、そのファスナーに手を掛けた。



