「もう!!……お母さん、ありえるよね?……うん、そうだよね?ありえるって、お母さんが言ってます」


「はぁ?んなことお母さん言ってねぇだろ」


「言いました!!」


私が隼斗さんの顔を見上げると目が合い…


2人して思わずプッと噴出した。


きっと天国のお母さんも笑ってるハズ。


ん?……呆れてるかな??


「ゆの。コレは俺の女っていう証だから、何があってもゼッテェ外すなよ?」


「………はい//////////」


私は顔を真っ赤にして小さく頷いた。


隼斗さんは指輪を親指でなぞり…


そっと口づけた。



『お母さん。私、絶対幸せになるからね。だから私たちをずっと見守っててね?』


「ゆの、そろそろ行くか?」


「はい」


「それじゃあ、お母さん。また近いうちに来ます。今度来る時は藤堂ゆのとして、ここへ連れて来ますので。」


そう言って、隼斗さんは深々お辞儀をした。


「お母さん、また来るね。今度来る時は人妻になってると思うけど」


私は満面の笑顔で墓石を眺めた。




私と隼斗さんはお母さんに“幸せな夫婦になる”と誓って…


墓地をあとにした。