家元の花嫁【加筆修正中】



「初めまして。自分は藤堂隼斗と申します。昨年の暮れから自分の家でゆのさんをお預かりしています。ご報告が遅くなり申し訳ありません」


隼斗さんは墓前で合掌しながら話し始めた。


「それから、少し前から真剣にお付き合いさせて頂いています」


隼斗さんは私の方をチラッと見てニコッと…。


「ゆのさんは自分にとってかけがえのない女性です。自分が愛する女性は生涯ゆのさんだけです。共に支え合って、幸せな家庭を築きますので…どうか温かい目で見守って下さい」


私は隼斗さんの言葉に思わず固まってしまった。


横にいる隼斗さんに視線を移すと、目を閉じている。


私は目を瞑って…心の中で……


『お母さん、とっても素敵な人でしょう?凄くカッコイイし、凄く優しいの。今日だって、ここに来れたのは彼のお陰なの』


ここは街からかなり離れている。


電車とバスを乗り継いで…


年に1~2度来るのがやっと。


お母さんには寂しい想いをさせている。


『お母さん。隼斗さんは気を遣って言ってくれてるけど。私ね、彼の事が凄く好きなの。こんな気持ち初めて。お母さん、どう思う?』


隼斗さんは黙ったままで…


『私、彼のそばにいていいのかなぁ?私はずっとそばにいたいよ…。けど、こんなにも素敵な人を…って願ったら罰が当たる?私には勿体ないもんねぇ…』


私はそっと目を開けた。


隼斗さんを好きな気持ちをお母さんに打ち明けたら、何だか気持ちがスッとした。


私は立ち上がって墓石に向かってお辞儀をした。


すると―――――。