「名前は園宮ゆの。俺の妹と同じ高校の3年。5年前に母親が他界。父親は現在、失踪中…だそうだ」
やっぱり、あの子なんだ。
ってか、すげぇ状況だなぁ。
サラッと聞いただけでも、相当酷いぞ?
俺は、あの子のバイト姿を思い出していた。
「お前が見た子か?」
「あっ……はい。名前が同じなんで」
「……そうか。んで、どうする?まぁ、ムリにとは言わねぇが、最悪……家賃出してやるってのはどうだ?」
「はっ?それなら、圭介さんが出せば済むじゃないですか?」
「あぁ~それはムリ!!自分の女じゃねぇのに、払えるかよ?!」
「へ?あっ、じゃあ、その子を圭介さんの………」
「いや、それはもっとムリ!!妹に殺される。俺の妹、マジで怖ぇーから。お前にも話した事あるだろ、空手で全国2位だぜ?しかも、その子……工事前らしいんだわ」
「!?」
「俺は基本、後腐れの無い貫通女がいいんだよねぇ」
「フッ、貫通って………」
相変わらず、圭介さんの価値観は面白い。
夜の帝王が教える帝王学?
フフフッ、思わず吹き出しそうになるよ。



