3月1日(火)卒業式当日―――。
朝食を済ませ、制服に着替えていると
コンコン。
「はい」
「入るわね?」
隼斗さんのお母様が入って来た。
「忙しい時にごめんなさいね。今いいかしら?」
「はい。何か御用ですか?」
「コレ。少し早いけど、卒業おめでとう」
「えっ?」
隼斗さんのお母様は小さな紙袋を差し出した。
「今日ね、これから家元と京都へ会合に出掛けるの」
「今日ですか?」
「えぇ。隼斗には話してあるんだけど。卒業式に行ってあげれなくてごめんなさいね」
「いえ、私のことはお構いなく…」
「コレは主人と私からのお祝いよ」
隼斗さんのお母様は優しい笑顔で紙袋を私の手に…
「えっ!?…でも……」
「お祝いなんだから、気持ち良く受取ってちょうだい」
「………はい。では…有難く…」
紙袋を受取り、深々お辞儀をして。



