「初めまして、鈴木さゆりと申します。お父様とは職場が一緒で知り合いました。お父様が言われたように、7年前に主人を亡くしております」
私は女性をじっと見つめたまま…
「若い頃に子宮がんを患ったので、子供はおりません。」
子宮がん!?
彼女は顔を少し歪ませた。
「なので、今後もご心配するようなことはありません。私はお察しの通り、あまり健康ではありません。そんな私にお父様は優しく接してくれるんです」
「・・・・・」
「既に“女”では無いような私でも…大切にしてくれるんんです。そんな心優しいお父様をお慕いしております」
「・・・・・」
「どうか…ご理解頂けないでしょうか?」
彼女は申し訳なさそうに…それでいて、優しく微笑んでいるかのような……
何ともいえない表情をしていた。
父親に視線を移すと、彼女の背中に手を当て、優しい眼差しを向けている。
そうか………。
この人のお陰で、お父さんは立ち直ったんだ。
きっとお母さんを亡くした寂しさをこの人が埋めてくれているんだね?
これからのお父さんには、この人が必要なんだね?
だって、お母さんに向けていた時と同じ……
優しい瞳をしているもの。
ね? お父さん??



