映画も観終り、俺は穴場の夜景スポットへ。
そこは一般人は入れない所。
茶道協会がある敷地内。
車を駐車場に止め、200mほど裏庭を歩いた。
ここは、市内から少し離れた丘高い場所。
夜景が凄くキレイ。
家元や俺は、よく稽古で夜遅くまでいることが多い。
だから、秘密基地と称して小さい頃からよく来ていた。
警備員や守衛さんも俺の車を知っている。
夜、勝手に入っても平気なワケ。
外灯があるにせよ、足元は暗い。
俺はゆのの手を引き寄せる。
「危ないから、気をつけろ」
「はい」
高台まで来ると……
「キャァ―――――ッ!キレイ!凄いです!!」
ゆのは無意識に俺の手を強く握った。
「寒く無いか?」
「大丈夫です。隼斗さんといると、寒さがマヒします/////」
ゆのの何気ないひと言に、俺の理性が崩壊しそう。



