家元の花嫁【加筆修正中】



「何?」


「えっ?」


「いや、さっきから俺のことじっと見てるけど」


「えっと、その……カッコいいなぁって思って…」


「それって、誘ってんの?」


「はっ!?そんな意味じゃ……」


「んじゃあ、コレで我慢する」


「//////////」


俺は右手でゆのの左手を握った。


ゆのは右手で頬を抑えている。


車内は暗いから分かり辛いが、たぶん、ゆのの顔は赤い。


俺は握っている手を緩め、指を絡めた。


そして、ゆのの手を引き寄せ……


ゆのの手の甲にチュッとキスをした。


映画が始まり、ゆのはスクリーンと俺を交互に見ている。


「もう何もしないから、映画観な?」


「………はい」


俺とゆのは静かにスクリーンを眺めた。