帰りの車の中で―――――。
「どこか、行きたい所あるか?」
「そうですねぇ……行きたい所は沢山あるんですが、今日は制服なので…」
「そう言われれば、援交に間違われても困るしな」
俺は車をしばらく走らせ―――。
「映画でも観るか?」
「この服で大丈夫ですか?もうすぐ、9時過ぎますよ?」
「あぁ、全然大丈夫」
俺は圭介さんから聞いた事がある“ドライブインシアター”へ行くことにした。
ゆのは車内から観る映画に驚いている。
まぁ、俺も利用するのは初めてだが。
あらかじめ買っておいたお茶を飲みながら。
ラジオの周波数を合わせる。
上映の内容が選べないのが難点だが、運よくゆのが観たかった映画らしい。
ゆのはご機嫌で、目を輝かせている。
しばらくして、はしゃぎ過ぎの自分に気付いたのか…
運転席の俺をじっと見始めた。



