家元の花嫁【加筆修正中】



「ちょっと、隼斗が弱気になってどうするのよ!お父さんも心配してたわよ?」


「はぁ?父さんまで?」


俺の両親は何を考えてんだか…。


女子高生に無理やり結婚を迫る気じゃねぇよな?


………俺の親なら…ありえる…。


「お父さん、言ってたわよ?ゆのちゃん、背筋は良いし、着物も良く似合うし。それに素直で心が綺麗だから、気に入ったって」


「勝手に決めんな」


「お母さんも大賛成よ!!あんな可愛いお嫁さん、逃したら後悔するわ!」


「まだ、嫁じゃねぇし。はぁ………。」


俺は深いため息をついた。


両親に言われなくても分かってる。


ゆのは可愛いし、心は綺麗で。


もちろん、何を着ても似合う。


―――――って、俺ってキモいな…。


「最近、隼斗仕事で遅いから、知らないだろうけど……」


「何?」


「ゆのちゃん、毎日のように男の人に送られて帰って来るのよ?」


「はぁ?誰だ、そいつ!?」


「知らないわよ。挨拶しようと庭に出ると、もう居ないんですもの。」


「ゆのは何て?」


「バイト先の人って言ってた」