家元の花嫁【加筆修正中】



玲は真剣な顔で話し始めた。


「最初はひと目見たい。次は声が聴きたい。近くにいたい。話がしたい。触れたい。手を繋ぎたい。抱きしめられたい…キスしたい…」


「………うん」


「そうやって、どんどん欲張りになる」


「うん」


「そのうちに、自分以外の人に優しくしないで欲しい。私だけ見てて欲しい。私だけを求めて欲しいって独占したくなる…」


「…………うん」


「相手を想う気持ちが大きくなって…抑えられなくなる。」


「……うん」


「いつの間にか…彼の全てが知りたくて…全てが欲しくなる…」


「………うん」


「そんな風になって来ると、捨てられる…とか考える余裕はなくなってる」


「・・・・・」


「心の底では“愛されたい”と思いながら、なりふり構わなくなっちゃうもんなの」


「それで…いいの?」


「う~ん、私は皇のこと、信じてる。今もね?だから、考えないようにしてる」


「不安じゃない?」