家元の花嫁【加筆修正中】



痛い視線の中、なんとか無事に顔合わせが終わった。


早めに昼食を済ませ、午後の準備に取り掛かった。


13時を過ぎると、招待客が続々見えた。


私は、隼斗さんのお母さんと共にお客様を出迎えた。


来客達は…私を見るなり、口を揃えて…


“隼斗くんの?”と聞いてくる。


場の雰囲気を壊すのもどうかと思い、私は笑顔で出迎えるしかなかった。


15時を過ぎた頃―――。


夫婦と思われる男女とその娘と思われる1人の女性が見えた。


「これは…桐島さん。明けましておめでとうございます。今年も宜しくお願い致します。」


隼斗さんのお母さんの声を合図に、私はお辞儀をした。


すると、足元に草履が見えた。


ん?


顔を上げてみると、女性が立っていた。


「あなた、この前…ここに来た使用人よね?どうして、あなたがここにいるの?」


私は目の前の女性が、先日…隼斗さんの腕に抱きついていた女だと分かった。


「えっと…私は………」


なんて言おうか悩んでいると―――。