「それじゃあ、奥の和室へ。新年の挨拶をしよう!!」
家元の掛け声で、お弟子さん達が一斉に移動し始めた。
「あの…、先日は大変失礼致しました。本当に申し訳ありませんでした。」
目の前に現れた女性は、深々お辞儀をして去って行った。
どこかで見たような……。
あっ、そうだ。
先日、ここで私を門前払いにした人。
わざわざ、謝らなくても良かったのに…。
それにしても…、お弟子さん達の視線が痛い。
そりゃそうだよね?
私みたいな…女子高生が…こんな格好してるんだから。
きっと、お弟子さん達は私のこと…隼斗さんの彼女って思ってるんだろうなぁ。
ん?私って何?
隼斗さんのなんだろう?
お互い“スキ”って気持ちは確認したけど。
“付き合おう”とは言われて無いよね?
あっ、けど…プロポーズ的なことは言われてるか…。
今の私って…、一体何?



