「あの、あなたみたいにカッコいい人が、私みたいな貧乏で美人でもない、どこにでもいるような女子高生をお嫁さんにしなくても、相手ならいくらでもいますよね?」
「う~ん。俺に近づいてくる女は、みんな金目当てかカラダ目当てだから」
「…………」
かっ、身体………って!!?
そりゃあ、見るからにイケメンだし、
服着てるから分かりづらいけど、きっと脱いでもスゴイんでしょうけど?
って、私、何考えてるのよ!?
「い、今の話……本気ですか?もしかして、嫁のフリをしろ……とか?」
「いや、籍は確認されるから、入籍はする」
「じゃあ、入籍して、家元を継承した後、暫くしたら離婚するとか?」
「いや、俺は離婚する気ないけど?」
「えっ?そっ、それって、私と本気で結婚するってことですか!?」
「あぁ、そのつもり。ってか、着いた」
話に夢中で、外の景色なんて全然見てなかった。
ってか、ここ……どこ!?
車が止まった先は、純和風の大きなお屋敷がそびえていた。



