私は玲の家から藤堂家に戻った。
「ゆのちゃん、ちょっといいかしら?」
「はいっ」
隼斗さんのお母さんに呼ばれ、奥の部屋へ。
「これ、羽織ってっみて?」
「えっ?着物ですか?」
「隼斗から、年末年始はバイトが無いって聞いたんだけど…」
「はい。お店がお休みなので…」
「うちは、家柄的にお客様が沢山見えるの。嫌じゃなかったら、手伝って貰えるかしら?」
「私で務まるでしょうか?」
「えぇ。ゆのちゃんには、座って会釈して貰うくらいだから…」
「お客様の出迎えということですね?」
「そう!!私と一緒に。」
「そう言うことでしたら、喜んで。念のために、最低限の所作を教えて下さい。皆さんにご迷惑はお掛けしたくないので……」
「ホント?嬉しいわぁ!これで安泰ねぇ。」
ん?安泰??



