巡る、歴史は巡る。


闇に覆われつつあった世界は、光を失った。


虚像の空の下を徘徊するのはドレイ。


人の手で造りだされた、殺戮兵器。


すべてが謎に包まれた、最強兵器。


その名の通り、命令のまま、ただ人を喰らう。


そのドレイが持つ血液は、人々を感染させ、ドレイ化させる。


感染した…ドレイ化した生物は、ドレイの血液に一種の病のように身体を蝕まれる。


一度その血が身体を巡ってしまえば、身体の構造は変化し、肌は硬化して、細胞はあらゆる武器を作り出す。


昨日の友は、今日の敵。


こうして、世の中はドレイによって侵略されて行った。


作り方も壊し方も、誰も知らない。


人々は無防備にただ、侵略にさらされた。


そんな世界に一筋の光が差し込んだ。


光のクリスタルの存在と、そのクリスタルが生み出した能力者。


彼らこそ、人類最後の希望。


“レジスタンス”である。


選ばれた能力者たちは、与えられたクリスタルの原石の武器を使い、人々を守り抜いてきた。


人々は何も知らずに守られてきた。


能力者は、守るために選ばれ、そして死んでいった。


しかし、もはやその時代は過ぎ去った。


守られる時代は終わった。


そう、その日は唐突にやってきた。


人はその日を〝D-Day”と呼ぶ。


D…つまり、Death。


死の日。