崩壊してしまった涙腺を、けれど無理矢理止めようとは思わなかった。
ずっと泣けなかったのだ。泣いてしまえばもう、そこで終わりだと思っていた。
終わりを認めてしまうから、悲しくて、泣いてしまうのだと思っていた。
でも、そうじゃないって、私は分かった。
こんなにも私は夜くんの事を愛していたんだと、ようやく実感出来た気がした。
愛が溢れて苦しくて、私はきっと、泣いたのだろう。
涙が止まってくれるまで、美神さんはずっと、掌を握ってくれていた。
その涙も止まってしまえば、空腹を思い出した様に、私は目玉焼きハンバーグを、美神さんはベーコンアボカドバーガーを夢中になって食べた。
料理はもう冷めてしまっていたけれど、とびきり美味しかった。
それからもくだらない事や私の高校の事、美神さんの大学の事や、バイトの話をした。
バイトの話をしていると、当然藤原さんの名前も飛び出して、美神さんが「ハルちゃん。」と言うたびに、私はドキリとして、何も言えない、何も訊けない現状にヤキモキしたりした。
ようやく喫茶店を出た時には、すでに陽は落ちていた。
夏の日とは違い、陽が落ちるのも随分と早くなった。
夜に近づくたびに、どんどん寒くなる季節になった。
二人とも喋り疲れて、笑い疲れて、フラフラだったけれど、構わなかった。二人ともフラフラだった。
構うものなんか何も無い。
疲れ果てたまま、ここで眠ってしまったって良い。
気分が良かったのだ。
本当に楽しくて、嬉しくて、美神さんの事が大好きで、こんなに楽しい夜は無いとさえ思った。
ずっと泣けなかったのだ。泣いてしまえばもう、そこで終わりだと思っていた。
終わりを認めてしまうから、悲しくて、泣いてしまうのだと思っていた。
でも、そうじゃないって、私は分かった。
こんなにも私は夜くんの事を愛していたんだと、ようやく実感出来た気がした。
愛が溢れて苦しくて、私はきっと、泣いたのだろう。
涙が止まってくれるまで、美神さんはずっと、掌を握ってくれていた。
その涙も止まってしまえば、空腹を思い出した様に、私は目玉焼きハンバーグを、美神さんはベーコンアボカドバーガーを夢中になって食べた。
料理はもう冷めてしまっていたけれど、とびきり美味しかった。
それからもくだらない事や私の高校の事、美神さんの大学の事や、バイトの話をした。
バイトの話をしていると、当然藤原さんの名前も飛び出して、美神さんが「ハルちゃん。」と言うたびに、私はドキリとして、何も言えない、何も訊けない現状にヤキモキしたりした。
ようやく喫茶店を出た時には、すでに陽は落ちていた。
夏の日とは違い、陽が落ちるのも随分と早くなった。
夜に近づくたびに、どんどん寒くなる季節になった。
二人とも喋り疲れて、笑い疲れて、フラフラだったけれど、構わなかった。二人ともフラフラだった。
構うものなんか何も無い。
疲れ果てたまま、ここで眠ってしまったって良い。
気分が良かったのだ。
本当に楽しくて、嬉しくて、美神さんの事が大好きで、こんなに楽しい夜は無いとさえ思った。



