君が居た世界が、この世で一番愛した世界だったから。

「許す…か。………ごめんなさい。よく分かりません。
『許す』っていうのは、あの時の彼の行動を肯定するという事で…、ううん。百パーセント肯定しなくても、あの時の行動を受け入れて、私の中で昇華させていく。それが出来る自信は、私にはまだありません。
あの時、怖いと思った事は本当だから。
だけど、『許さない』という事は、あの時の彼の『行動』よりも、『想い』を、愛情そのものを否定してしまう様な気がして…。
よく分からないんです。」

美神さんはベーコンアボカドバーガーを食べようと、両手に握ったナイフとフォークを置いて、グッと考えてから、「みーんな皆んな、普通じゃないね。」と言った。