「輪廻。りんねぇ…、あぁ綺麗だよ。
やっと一つになれるんだ。
二人が終わってしまっても、俺達は転生を繰り返す。
今より先の未来に、俺達はもう、離れる事なんて無い。
暗い夜にも闇なんて物はきっと無いだろう。
希望だけが、満ち溢れるんだよ。
輪廻…、輪廻…。愛してるよ。」

夜くんの両手が、私の両手を取って、夜くんの首を掴ませる。
私の両手に重ねられた夜くんの掌に、もう温もりは感じない。

「な…にを…。」

ふふ、と幸せそうに微笑んだ夜くんが、私の耳元に唇を寄せて、「終わり。」と囁いた。

「俺は輪廻を、輪廻は俺を、この世界から失って、二人の恋はようやく成就するさぁ、始めよう。」

私の両手から夜くんの掌が離れて、その掌は、そのまま私の首に、そして、グッと力が込められた。