君が居た世界が、この世で一番愛した世界だったから。

「ゃ…やめ…て…。お願い…、やめてくださいっ!藤原さんは何にも悪くありません!私が…、私が悪いの。全部きちんと謝ります。だからもうやめてください!」

夜くんの動きが止まり、その視線が、私を見た。
彼の長い指先が、藤原さんの首筋に触れたまま、ピクリとも動かない。
助かったと思った。

…が。
夜くんの顔には、今もなお、悪魔の微笑みがぴったりと張り付いたままだった。

「輪廻は優しい子だね。こんなクズを庇ってあげるなんて。
庇ってあげるなんて、ねぇ。妬いちゃうなぁ。
ほーんとにこの害虫は…、早いとこ潰したくて潰したくて………、ゾクゾクするよ。」