「ねぇ、輪廻。誰なの、そいつ。説明してよ。
…どう説明されたところで、そいつが何者だろうが、クズである事には変わりないけどな。」
その場から動けず、何かを言う事すら出来ないまま固まる私に、夜のくんは優しく、そして不気味に言った。
「まぁ、いいや。ちょっと待ってて。」
そう言って、彼はスッと窓から離れた。
さっきまで夜くんがいた窓の向こう側に、風を受けてヒラヒラと揺れるピンク色のカーテンが見える。
間違いなく私の家の、私の部屋だ。
今の居る場所が、違う場所だったら良かったのにと思った。
場所が違ったところで、何かが変わるわけじゃないけれど。
状況を掴めずにいる藤原さんも、私と同じ様に動けないまま、ゆっくりと私に視線を移している。
藤原さんは、恐怖で動けないのではない。
「状況が掴めない」。それだけの事だろう。
彼氏が彼女の部屋に居る。ただそれだけの事なのに、どうしてこの子はこんなにも怯えているのだろう。
そう言いたいのだろうとすぐに分かった。
…どう説明されたところで、そいつが何者だろうが、クズである事には変わりないけどな。」
その場から動けず、何かを言う事すら出来ないまま固まる私に、夜のくんは優しく、そして不気味に言った。
「まぁ、いいや。ちょっと待ってて。」
そう言って、彼はスッと窓から離れた。
さっきまで夜くんがいた窓の向こう側に、風を受けてヒラヒラと揺れるピンク色のカーテンが見える。
間違いなく私の家の、私の部屋だ。
今の居る場所が、違う場所だったら良かったのにと思った。
場所が違ったところで、何かが変わるわけじゃないけれど。
状況を掴めずにいる藤原さんも、私と同じ様に動けないまま、ゆっくりと私に視線を移している。
藤原さんは、恐怖で動けないのではない。
「状況が掴めない」。それだけの事だろう。
彼氏が彼女の部屋に居る。ただそれだけの事なのに、どうしてこの子はこんなにも怯えているのだろう。
そう言いたいのだろうとすぐに分かった。



