再び食材のチェックに入り、晩御飯は筑前煮に決まった。
根菜と鶏肉が多かったから。多分ママは私が自炊しないかもしれないって事も考えて、自分が帰宅した時にでも使えるよう、傷みにくい根菜を沢山買ったのだろう。鶏肉も大きくて安い。冷凍しておけば日持ちするって、前にママが言っていた事を思い出した。
しかし、だ。
だいっすきな蓮根がない…。
蓮根がない筑前煮なんて…と落ち込みを隠しきれないでいた。
「俺が買いに行ってくるよ。輪廻は下ごしらえでもしておいて。」
「夜くんっ。いいの。
もう遅いし。わざわざ行ってもらうなんて悪いよ。」
「そんな事、俺が嫌がると思う?」
夜くんは、一度言い出したらあまり引き下がらない。それが「私を喜ばせる為」なら尚更だ。
「分かりました。じゃあ、私の為に行かないでください。
一人にされたら寂しいです。」
「輪廻…。可愛い。」
軽く口付けをされる。
彼はルンルンで料理に取りかかった。
可愛いのはどっちだ、と思いながら、こういう頼み方をすれば簡単に考えが変わるのかと学んで、私は一人でニヤニヤしてしまった。
根菜と鶏肉が多かったから。多分ママは私が自炊しないかもしれないって事も考えて、自分が帰宅した時にでも使えるよう、傷みにくい根菜を沢山買ったのだろう。鶏肉も大きくて安い。冷凍しておけば日持ちするって、前にママが言っていた事を思い出した。
しかし、だ。
だいっすきな蓮根がない…。
蓮根がない筑前煮なんて…と落ち込みを隠しきれないでいた。
「俺が買いに行ってくるよ。輪廻は下ごしらえでもしておいて。」
「夜くんっ。いいの。
もう遅いし。わざわざ行ってもらうなんて悪いよ。」
「そんな事、俺が嫌がると思う?」
夜くんは、一度言い出したらあまり引き下がらない。それが「私を喜ばせる為」なら尚更だ。
「分かりました。じゃあ、私の為に行かないでください。
一人にされたら寂しいです。」
「輪廻…。可愛い。」
軽く口付けをされる。
彼はルンルンで料理に取りかかった。
可愛いのはどっちだ、と思いながら、こういう頼み方をすれば簡単に考えが変わるのかと学んで、私は一人でニヤニヤしてしまった。



