〜親愛なる、輪廻〜

突然の手紙、君は目を通してくれるだろうか。
何も考えないで、ただ目を通しさえしてくれれば、それだけで満たされるよ。
君が読んでくれたかどうか、俺は知る事は出来ないけれど、きっと君は読んでくれていると、信じている。輪廻はとても、優しい子だから。

ペンを取ったのは今、目に映るもみじが素晴らしかったから。
君にも見せたいと思ったんだよ。

なんてね。

本当は理由なんて何だって良かったんだ。
無理矢理にでも、キッカケが欲しかった。君に手紙を送る理由が欲しかったんだ。

あぁ、君ともみじを見たかったのは嘘じゃないよ。
無論、君の美しさに嫉妬したもみじ達が悪戯するかもしれないから、そうしたらもちろん君を守るからね。