君が居た世界が、この世で一番愛した世界だったから。

自宅の最寄りバス停に向かうバスに揺られながら、ただぼんやりと、流れていく街並みを見送った。
一人で居ても、友達、家族と居ても、恋人と居ても、幸せそうな笑顔とすれ違っていく。それが堪らなく羨ましかった。

自宅に着く頃には、すっかり陽は落ちていて、夜の空気が冬を感じ始めさせている事に気がついた。
昼間は暑いとさえ感じていた事が嘘の様に、冷たい風が頬を撫でる。

朝の気温で洋服を選ぶと、昼間は暑い。
昼間着ていた洋服は、夜だと少し寒い。
やっぱりファッションは、よく分からない。

一日中、結局は何もしないで、海を眺めているだけだった。
一日が終わる頃に、一日を振り返って後悔するのは、今に始まった事ではないけれど。