君が居た世界が、この世で一番愛した世界だったから。

ソファーに腰掛けて、ゆっくりとアップルティーを飲みながら、目を閉じた。

片方のカップにはアップルティーが注がれないまま、ふせてお盆に置いたままだ。
何の予定も無い休日は、よく二人でこうして紅茶やコーヒーを飲みながら、くだらない話に笑い合った。
私は紅茶の方が好きで、夜くんはコーヒーの方が好きだったけれど、今日は紅茶だから、明日はコーヒーね、と順番こにお互いが好きな物を分け合い、共有出来る事が嬉しかった。

夜くんの存在不在であればある分だけ、二人が分けあった時間を切なく残している。
不在の時間が増えるごとに、懐かしく思う瞬間が増えていった。
確かに在ったはずの二人の未来が、今は空白になろうしながらが、ぽかんと宙に浮かんだまま見下ろされている様な気がして、落ち着かない。