照り付けていた太陽が嘘みたいに眠りに就き始めた。
気付けば時計の針は午後八時に向かっていた。
ボヤけた思考のままで、前後の事を考えてみた。
あの時、あのまま夜くんに抱きすくめられて…うーん。昼寝しちゃったのか。
間抜けですよ、だなんて夜くんに言っておきながら、本当に間抜けなのは私かもしれないなと思った。
寝返りをうとうとすれば、後ろからギュッと抱き締められる。
そのまま夜くんの方に寝返りをうつ。
片手は私の枕になり、片手で私を抱き締めている形だ。
未だ眠っている様子の彼は、無意識でこの体勢になったようだ。
無意識であっても私を愛でようとしてくれる事に、愛しくて笑みが溢れる。
そっと頬に触れると虚ろな瞳が光を宿す。
「ごめん。起こしちゃったね。」
小さく呟き、彼の頬を撫で続ける。
その手を握って、彼が声を出した。
寝起きの声は少し掠れていて、一層セクシーなものがある。
「夢を見ていた。君が、俺に殺してくれと懇願するんだ。
『いつかあなたと離れる未来なら、今ここで殺して。そして永遠に私をあなただけのものにして。』と。」
「物騒な夢ね。」
「幸せだったよ。
こんなにも俺を求めているんだ、と。
でも君は馬鹿だ。」
「馬鹿とは。聞き捨てなりませんね。」
「いや。そんな事を思う輪廻は馬鹿だ。
君を殺す事によって、その罪を以て僕を縛りたいと思ったんだろう。
そんな事させなくても、体中、君の愛で俺は縛られている。
とても甘く甘美な束縛だよ。一生離れるはずがないのに。
君への愛が溢れて苦しいんだ。
愛くるしいってこういう事なんだね。」
気付けば時計の針は午後八時に向かっていた。
ボヤけた思考のままで、前後の事を考えてみた。
あの時、あのまま夜くんに抱きすくめられて…うーん。昼寝しちゃったのか。
間抜けですよ、だなんて夜くんに言っておきながら、本当に間抜けなのは私かもしれないなと思った。
寝返りをうとうとすれば、後ろからギュッと抱き締められる。
そのまま夜くんの方に寝返りをうつ。
片手は私の枕になり、片手で私を抱き締めている形だ。
未だ眠っている様子の彼は、無意識でこの体勢になったようだ。
無意識であっても私を愛でようとしてくれる事に、愛しくて笑みが溢れる。
そっと頬に触れると虚ろな瞳が光を宿す。
「ごめん。起こしちゃったね。」
小さく呟き、彼の頬を撫で続ける。
その手を握って、彼が声を出した。
寝起きの声は少し掠れていて、一層セクシーなものがある。
「夢を見ていた。君が、俺に殺してくれと懇願するんだ。
『いつかあなたと離れる未来なら、今ここで殺して。そして永遠に私をあなただけのものにして。』と。」
「物騒な夢ね。」
「幸せだったよ。
こんなにも俺を求めているんだ、と。
でも君は馬鹿だ。」
「馬鹿とは。聞き捨てなりませんね。」
「いや。そんな事を思う輪廻は馬鹿だ。
君を殺す事によって、その罪を以て僕を縛りたいと思ったんだろう。
そんな事させなくても、体中、君の愛で俺は縛られている。
とても甘く甘美な束縛だよ。一生離れるはずがないのに。
君への愛が溢れて苦しいんだ。
愛くるしいってこういう事なんだね。」



